第5回で、再生可能エネルギーの一番の問題は「間の悪さ」だとお話ししました。そして地方の細い送電網と電気の質が壁になって、せっかく作った電気が都会に送れず抑制がかかってしまう、と。
続く第6回では、その起死回生の答えが「貯めること」だと大見得を切りました。蓄電池が救世主だ、地産地消だ、地域ごとに発電と蓄電のインフラを整えれば災害にも強くなる——と、力説していました。
▶ 第5回 再エネ発電の課題ってなに? ▶ 第6回 起死回生の救世主!! 発電した電気を貯める!?
ブログには小さな発電所と大きな蓄電所をたくさん作る事が大切と書いていました。
では、それを——どこに建てるのでしょうか。
この問いを、いま日本中に突きつけているのが、北海道の釧路湿原で起きているメガソーラー問題です。2025年の夏、国立公園に接する森が削られていくドローン映像がSNSで拡散し、全国的な反対運動に火がつきました。「自然を守るはずの再エネが、自然を壊している」——ご覧になった方も多いと思います。
私は再エネ推進には賛成です。しかし、今の再エネ普及の仕方には、正しい目標も計画もモラルもないものが数多く見られます。長い年月をかけて育まれてきた自然を破壊して、自然に優しい再エネ発電所を作る。この矛盾は儲かるからと言う人間の欲が優先されて生じてきた事は周知の1つの事実です。私の起ち上げた「自然とエネルギー」が掲げるのも社会と自然の共存です。多くの再エネ事業者の方々の多くも同じだと思います。
ただし——今回は感情論ではやりません。数字から始めます。そして数字から始めると、実は反対派にとっても推進派にとっても、少し意外な結論にたどり着きます。最後までお付き合いください。
1. まず、身も蓋もない数字から
「森林を伐採して太陽光パネルを敷くなんて、CO₂削減の意味がないじゃないか」
よく聞く批判です。森は光合成でCO₂を吸ってO₂を出してくれる。それを切ってしまったら本末転倒だ!!回復には何十年何百年かかるんだ!?、と。感覚としては、まったくその通りに思えます。それを実際に数字で考えましょう。
では、計算してみましょう。1ヘクタール(100m×100m)の土地で比べます。
まず森林。林野庁の数値では、よく育った36〜40年生のスギ人工林で、年間およそ8.8トンのCO₂を吸収します。ちなみにこれは成長期の数字で、成熟した天然林になると年2〜5トンまで落ちます。木は太る時にいちばん炭素を溜め込むので、大人になると吸収ペースは落ちるんですね。
次に太陽光。1ヘクタールにはおよそ1メガワット(1,000kW)のパネルが載ります。日本の平均的な設備利用率14%で計算すると、年間の発電量は約122万kWh。これが日本の火力発電(石炭とLNGの加重平均で1kWhあたり約0.65kg-CO₂)を押しのけたとして、パネルの製造や輸送で出るCO₂(1kWhあたり約0.03kg)を差し引くと——
約570トン 太陽光1haが1年で削減するCO₂
(火力を置き換えた場合)
森林1haが1年で吸収するCO₂ 8.8トン
(スギ人工林・林野庁)
比較するとおよそ 65倍。
成熟した天然林(2-5トン)と比べれば100倍を超えます。伐採したときに樹木と土壌から放出される炭素(森林でおおむね200〜300トン)も、太陽光なら半年ほどの削減量で取り返せてしまう。
さらに、パネルは思っていたよりずっと長生きします。1984年に設置された京セラの佐倉の設備は、40年経っても出力低下は20.8%。奈良の壷阪寺のパネルは28年後もほぼ製造時のレベルを保っていたと産総研が報告しています。当初の政府見通しより、太陽光パネルはタフだったんですね。今のパネルの耐久性能はさらに上がっています。
仮に30年動くとして、1ヘクタールの太陽光が減らすCO₂は、同じ面積の森林がおよそ1,900年かけて吸う量に相当します。成熟林と比べるなら3,000年分。……こう書くと、もう議論は終わったように見えます。
1,900年分。
「多少の自然を壊してでも、今は太陽光を建てるべきだ」
——そう言いたくなる数字です。
私も一度は、そう思いました。ですが、この数字には大事な但し書きがついています。
2. これは「満点の答案」です
もう一度、さっきの計算を見てください。
太陽光の削減量570トンは、「火力発電を押しのけた分」として計算されています。ここがポイントです。太陽光そのものがCO₂を吸っているわけではありません。太陽光は引き算なんです。誰かの代わりに発電して、その誰かが焚くはずだった石炭やガスを浮かせる。それが削減の本質です。
ということは——
その電気が使われなかったら、削減はゼロです。
第5回で解説した「抑制」(発電が消費を大きく上まわって電線に電気がパンパンになった時に発電を止める機能)を思い出してください。せっかく発電しても、送電網が細くて受け入れられなければ、発電はストップされます、送り出せなかった電気1kWh分は、火力を1グラムも減らしません。実績値では2024年度の出力制御率は北海道で0.9%、九州で4.8%。全体としては小さく見えますが、系統の末端に集中して連系すれば、局所的にはこの何倍にもなります。そもそも接続する空き容量がない、というのが遠隔地の実情です。
送電中の目減りもあります。日本の送配電損失は平均4〜5%。山の中から都市部まで長距離を運べば、8%前後は消えていく計算になります。
つまりこういうことです。
自然の65倍という太陽光の実力は使ってくれるお客あっての数字です。
実際に実力を発揮する条件は、パネルの枚数や規模ではなく——置き場所です。
ポテンシャルを実績に変えるのは立地。これが今回のシリーズを貫く一本の柱になります。ここを押さえたうえで、いよいよ本題に入りましょう。
3. なぜ、わざわざ湿原に建てるのか

ここで素朴な疑問が湧きませんか。
送電損失も抑制もあって、地元の反対も食らって、工事も大変。それでもなぜ、事業者は人里離れた山や湿原を選ぶのでしょうか。嫌がらせでやっているわけではないはずです。
答えは、驚くほど単純です。そこが安いから。
ちょっと部屋探しに例えてみます。
あなたがお金を貯めるために引っ越し先を探しているとします。給料は、どこに住んでも同じ額が振り込まれます。さて、あなたはどんな部屋を選びますか?
——家賃の安い部屋ですよね。だって、給料が同じなら、家賃が安いほど手元に残るお金が増えるんですから。駅から遠かろうが、日当たりが悪かろうが、手取りが増えるならそっちを選ぶ。これは意地悪でも無知でもなく、ごく当たり前の経済合理性です。
FIT(固定価格買取制度)は、まさに「どこに住んでも同じ給料が出る会社」でした。売電価格は国が決めた固定額。となれば、事業者の利益を決めるのはコストをどこまで削れるかだけになります。そして発電所のコストのうち、事業者が自分で選べる最大の変数が——土地代なんです。
売る値段が同じなら、土地が安いほど儲かる。
制度が、そういう設計になっていました。
さらに、人里離れた場所にはもうひとつ「魅力」があります。人の目が届きにくいこと。住民説明会も、反対運動も、景観の苦情も起きにくい。合意形成にかかる時間とコストを回避できます。
釧路の問題を「悪徳業者がやったこと」で片づけると、本質を見誤ります。あれは、制度が「そういう物件を選べ」と設計されていた結果なんです。真面目な事業者ほど、コストを削って収支を合わせようとする。そして削れる場所が土地代しかなければ、行き着く先はワケあり物件になります。
4. 家賃には出てこない「隠れコスト」
安い部屋には、たいてい理由があります。そして厄介なことに、その理由は家賃の欄には書かれていません。
メガソーラーの場合、家賃(土地代)に書かれていないコストは、こういうものです。
生き物の生息環境。釧路湿原はタンチョウやキタサンショウウオの生息地です。1980年に日本で初めてラムサール条約に登録された湿地でもあります。
防災機能。森や湿地は水を溜め、土砂を止めています。それが失われた分のリスクは、下流に住む人が引き受けます。
景観と観光。釧路湿原を見に来る人が減ったとして、その損失は地域の観光業が負担します。
そして、釧路の場合はもうひとつ、CO₂の計算そのものが変わる特殊な事情があります。
湿原は、森林とは別勘定です

▲ 左は水をたたえたままの湿原。右は排水して造成した側で、地面の裂け目から炭素がCO₂となって抜けていく。
ここ、あまり報じられていないので、ぜひ知っていただきたいところです。
釧路湿原の地面の下にあるのは、普通の土ではありません。泥炭です。何千年もかけて、枯れた植物が水に浸かったまま分解されずに積み重なったもの。つまり炭素の貯金箱です。
森林が蓄えている炭素が1ヘクタールあたり200〜300トン(CO₂換算)なのに対し、泥炭地はその5倍から10倍——1,000〜2,000トン級を地下に抱え込んでいます。
そして泥炭のやっかいなところは、水から出た瞬間に酸化が始まることです。造成のために排水すると、貯金箱の中身が空気に触れて、じわじわとCO₂になって出ていきます。IPCCの係数では、排水された泥炭地は年に20〜40トン/haを排出し続けるとされます。しかも数十年単位で。
森林1haが蓄えるCO₂ 200〜300t
泥炭地1haが蓄えるCO₂ 1,000〜2,000t
「脱炭素」を目的とする再生可能エネルギー事業が、逆に巨大なCO2タンクの栓を抜いてしまうという矛盾が生じています。
それでも太陽光のほうがCO₂収支は黒字です。年570トンの削減に対して年20〜40トンの放出ですから、CO₂削減収支は遥かに太陽光発電に分があります。
しかし一度排水した泥炭地は、元に戻せません。何千年かけて積み上がったものですから。植林ならやり直せますが、湿原土壌にやり直しはないのです。
5. なぜ、それが止められなかったのか
ここまで読んで「そんな重大な話、なぜ誰も止めなかったの?」と思われたはずです。私もそう思いました。
調べてみると、制度に穴がありました。
大規模開発をチェックする環境アセスメント法。太陽光発電がその対象になったのは2020年で、しかも義務づけられるのは原則40MW(4万kW)以上の案件です。釧路周辺で問題になっている案件の多くは、これに届きません。そして、ひとつの計画を複数に分ければ、さらに対象から外れます。
そしてFIT認定のほうにも、土地の炭素ストックや生態系の価値を評価する項目は、ありません。書類が揃っていれば認定は下ります。
つまり——
環境アセスメントと言う隠れコストを、あえて計画的に計上していなかった。
経済の言葉では、これを「外部費用が内部化されていない」と言います。事業者が払わずに済んだコストは、消えたわけではありません。自然と、近隣に住む人たちが、代わりに払っていたのです。
6. 発電の分散=護る能力

ここからが、私がいちばんお伝えしたかった部分です。
ここまでは「遠隔地に建てると、自然が失われる」という話でした。でも実は、遠隔立地はもうひとつ、まったく別のものを捨てています。
防災の価値です。
第6回で私はこう書きました。地域ごとに発電と蓄電のインフラを整えれば、上流の送電網が切れても、傷ついた地区を隣の地区が助けられるようになる、と。傷口の隣の細胞が元気なら治りは早い、という話です。
その話に、今回は数字を入れてみます。
1ヘクタールの太陽光(1MW)と、それに見合う蓄電池(3MWh級)を組み合わせると、平均的な日の発電量は約3,400kWhになります。停電時の一般家庭が1日に使う電力を10kWh程度とすると——
約300世帯 700人(1ha+蓄電池が停電時に継続して支えられる規模)
これは日常時の快適な生活で、災害時においては更に威力を発揮します。
中核基地や避難所や送電網が破壊されていない在宅避難者の最低限度の電力使用をシミュレーションすると
避難所2か所(240kWh)+携帯基地局2局(96kWh)+上水の給水ポンプ(100kWh)+診療所(60kWh)で、合計およそ500kWh/日残り約2,900kWhを1,000世帯 2200人近くの在宅避難者の生活を支えます。
発電所からの送電がストップしても、地域ブロックのインフラが生きていれば、水やトイレが使え、冷蔵庫や照明が生きている。スマホで安否確認や、情報を取得できる。これが復興のレジリエンスにどれほどのインパクトが生まれるでしょうか。人の住む町の傍にマイクログリッド施設がある事の意味はそこにあります
同じ設備が山奥や湿原にあっても、その地域には人はいません。そして距離がある分、災害時送電網が破壊されるリスクが高まります。山間部のメガソーラーや風力発電の送電の多くは発電所からと同じルートによってやってきます。
電力網の上流で停電すれば、下流はほぼ全て麻痺する事になります。
CO₂については「どこで減らしても同じ」です。大気は世界中つながっていますから、釧路で減らそうが大阪で減らそうが、地球にとっては同じ1トンです。
でも、防災はそうではありません。電気は、そこにいる人のところにしか届かない。人の住んでいない場所に建てた発電所は、災害のとき、誰ひとり助けられないのです。
そして、人がいないその場所は、無ではありません。そこは動物たちの生活圏です。山林に暮らす動物たちにとっては、メガソーラー規模の建設そのものが彼らの生活を脅かす災害に他なりません。私たちは、誰も助けられない場所に設備を置き、そのうえで先住者の住まいを削っているということになります。
今、そして将来、地方は人口減少し、使いたくても使えない土地は街の近くに溢れてきます。そこに小さな発電所マイクログリッドと中規模蓄電所を建設する。その電気で走る、EV車の割合を増やす事で、災害に強い街づくりを行う事が出来るのです。
7. いま、現場で起きていること
幸いなことに、事態は動いています。
釧路市は、条例を作りました。2025年6月の「ノーモア メガソーラー宣言」を経て、10kW以上の事業用太陽光発電施設の設置を許可制とする条例を制定。2026年1月1日以降に着手する事業から適用されています。タンチョウなどの生息調査と保全計画の作成が義務づけられました。
市が公表している手続き状況(2026年7月時点)を見ると、これが実に興味深い。申請されているのは3件で、内訳は阿寒町の1,500kWが許可決定、あとは病院の敷地に628kWと工場に160kW。つまり自然を壊さない場所へ、実際に誘導が効き始めています。
隣の鶴居村は、土地を買いました。建設を阻止して景観を守ろうと寄付を呼びかけたところ、約8,850万円が集まり、村内の民有地約27ヘクタールを買い取る予算が2026年3月に可決されています。お金を出して自然を買い戻す、という直接的な方法です。
問題の案件は、止まっています。反対運動の発端となった大阪の事業者の計画は、建設予定地から基準値を超えるヒ素やホウ素が検出され、土壌汚染対策法などの違反で工事が中断。北海道は2026年7月、予定地を有害物質の拡散防止を義務づける区域に指定しました。
国も動き始めました。環境省は釧路湿原国立公園の区域拡張を含む公園計画の見直しを検討し、政府はメガソーラー規制の具体策の取りまとめを進めています。
後手に回った感は否めません。でも、制度が塞がれていなかった穴を、自治体が先に塞ぎ、国が追いかけている——という構図は、はっきり見えてきました。
8. 再エネは高い?
「やっぱりメガソーラーは悪だ」と思われる方もいらっしゃるでしょう。再エネ賦課金は年々上がり、自然環境だけでなく生活にも負担をかけてくる再エネは高くつく。これには大きな誤解があります。
まず、CO₂の収支そのものは、遠隔地でも黒字です。送電損失8%と抑制5%を両方織り込んで計算し直しても、1ヘクタールあたり火力に置き換えて年510トン前後の削減量が残ります。森林の約58倍。数字の上では、やはり太陽光は強い。
そして、コストの面でも太陽光は最安です。
資源エネルギー庁の発電コスト検証(2025年2月)によれば、2040年時点で
事業用太陽光 7.0〜8.9円/kWh
原子力 12.5円/kWh
LNG火力16.0〜21.0円/kWh
石炭アンモニア混焼20.9〜33.0円/kWh
比べると太陽光は頭ひとつ抜けています。(※このLCOEには系統増強や調整力の費用が十分含まれていません)
燃料や施設建設のコストでは太陽光は一番安いこの事を多くの方は理解していません。
ではなぜ日本の太陽光はもっと普及しないのでしょうか?
それは、施設面積当たりの発電効率が最も悪いからです。
| 電源 | 例 | 平均出力密度 | 太陽光比 |
|---|---|---|---|
| LNG火力 | 富津(504万kW/1.16km²) | 約2,170 W/m² | 155倍 |
| 原子力 | 柏崎刈羽(821万kW/4.20km²) | 約1,370 W/m² | 98倍 |
| 事業用太陽光 | 1MW/1ha | 約14 W/m² | 1倍 |
| 陸上風力 | 20MW/4km² | 約1.4 W/m² | 0.1倍 |
具体的に言うと、柏崎刈羽1か所ぶんの発電量を太陽光で作るには約411km²が必要です。原発敷地4.2km²の98倍で、東京23区(627km²)の3分の2に相当します。日本最大級の火力発電所 富津火力発電所ぶんでも約180km²、山手線の内側の3倍です。
先ほどの発電コストには土地代が入っていません。柏崎刈羽発電相当に必要な約411km²を東京23区の住宅用土地で買うと
約352兆円(2026年公示地価の23区住宅地平均856,406円/m²で計算)に相当します。
だからこそ、土地代の安い、山の中や原野にメガソーラーは建設されるのです。
しかし、逆に考えて、東京都の建物の屋根全ての面積にソーラーパネルを敷き詰めると、かなりの電力を賄う事が出来るんじゃない?と考えました。それで単純計算(寺社や皇居も含めた屋根を平屋根にした面積)をAIにさせてみました。すると
東京都 約250万件の建物屋根の面積は約320 km²にするとなんと64 GWの発電量を持つことが出来ます。
これは年間総発電量70,400GWhになり、東京都の電力需要需要78,000GWhの90%に相当します
もちろん実際の屋根や建物には傾斜や影があり、載せられない建物も相当数あるので、あくまで面積当たりの単純計算で現実的な数字ではありません。
日本は太陽光発電に向かないと言われますが、それは人から離れたところに新たに建てようとした場合です。
ようは人の住むエリアにやり繰りして設置すれば生活需要の頼もしい味方になるという事です。
火力発電を減らして温暖化にブレーキをかけるために、太陽光にはまだまだ大きな役割があります。それは65倍という数字が証明しています。だからこそ、その力を正しい場所で発揮させたい。自然を壊さず、災害のときに人を助けられる場所で。
おわりに ― 掘り出し物件は、意外と近くにある

安い物件に飛びついて、なんとか収支を合わせる。その発想は、もう限界に来ていると思います。釧路がそれを教えてくれました。
次に必要なのは、安心して永く使える、良い物件の選び方です。パネルは40年働くことがわかってきました。ということは、選んだ土地とは40年以上のお付き合いになるということです。40年住む部屋を、家賃だけで選ぶ人はいませんよね。
そして——ここからが次回の本題なのですが。
実は日本には、掘り出し物件がまだ大量に眠っています。しかも、それは山奥ではなく、私たちが暮らしているすぐ近くにあります。家賃はほぼゼロ。通勤時間もゼロ。自然を1平方メートルも壊さない物件です。
さらにその物件は、蓄電を組み合わせることで、電気を都会に送るだけでなく、地域そのものを支える存在に変わります。第6回で「教官」に例えた蓄電池が、次は隊列の先頭に立つ話です。
次回:第14回 立地の経済学②
掘り出し物件はどこにあるのか。そして、蓄電を街に置くと何が変わるのか。
——「都会へ出稼ぎ」だけが、再エネの生きる道ではありません。
私たち自然とエネルギーは、再エネと地域の自然が、どちらも犠牲にならない形で共存できると信じています。そのための情報と、人と、技術を結ぶこと。それが私たちの仕事です。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【出典・注記】
・森林のCO₂吸収量:林野庁(スギ人工林36〜40年生)
・発電量試算:設備容量1MW/ha、設備利用率14%、火力平均排出係数0.65kg-CO₂/kWh、太陽光ライフサイクル排出0.03kg-CO₂/kWh として筆者算出
・泥炭地の炭素ストックおよび排水後の排出:IPCC 2013 湿地ガイドラインの排水泥炭地係数に基づく概算
・出力制御実績(2024年度):資源エネルギー庁 再生可能エネルギー出力制御の短期見通し等
・パネル長期性能:産業技術総合研究所(京セラ佐倉・壷阪寺の長期実績)
・発電コスト:資源エネルギー庁 発電コスト検証ワーキンググループ とりまとめ(2025年2月)
・釧路市の条例および手続き状況:釧路市公式サイト(2026年7月10日更新)
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